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目立たない装置で矯正できます。横浜(神奈川県)の子供矯正(こどもの矯正、小児矯正)は当歯科医院へ。

乳歯列期 歯に隙間がある、ない

乳歯列期は永久歯列に影響を与えることから、たくさんの相談を受けます。
乳歯列に問題があると永久歯に影響があるのはもちろんですが、
慌てなくても良い場合も多々あります。

今回は乳歯列期においてどういった観点で
チェックすればよいかをお伝えしていければと思います。

■乳歯の隙間に関して

生後半年くらいを過ぎると、乳歯が生え始めてきます。

大体始めに生えてくるのは下顎中切歯(一番前の歯)で、
始めこの位置で大丈夫?
と心配されることもありますが、
他の歯がはえてくると揃ってきます。

2歳~3歳前後になると乳歯が生えそろい、
大体隙間がなく揃ってきます。
乳歯列期に隙間がないと永久歯になると
並ぶスペースが足りないため、
叢生(デコボコ、乱ぐい歯、八重歯)になりやすいのですが、
この時期はまだ揃っていても大丈夫です。

5歳を過ぎ、6歳くらいになり、
永久歯に生え変わるころになると少し歯と歯の間に隙間が出てきます。

この隙間は必要な隙間で、顎の成長によるもので、
永久歯の生える準備が進んでいることを意味しています。
この時期に全く隙間が出来てこないと、
永久歯に生え変わった際に叢生になる可能性があります。

■生え替わり

永久歯で一番初めに生えてくるのは第一大臼歯(奥から2番目の歯)で、
だいたい生え変わり年齢が6歳前後のため、
6歳臼歯とも呼ばれています。
この第一大臼歯の噛み合せが
他の歯の生えてくる基準になる為、
第一大臼歯が生えてくるころは注意したい時期です。

永久歯に生え替わる次期(混合歯列期)は、
永久歯にすべて生え変わる為の時期で、
前歯に隙間があったり少し歯並びが心配になってしまったりします。
12~13歳ころに第二大臼歯まで生え変わり、永久歯列期になります。

■乳歯列期から永久歯列期へ チェックポイント

ではどういった観点でこの生え変わり時期を見ていくと良いのでしょうか。

①第一大臼歯(6歳臼歯)がしっかりと生えてきているか。
乳歯列期の最後の方で生えてくるため気づきづらいため、注意が必要です。上下の第一大臼歯の噛み合せが歯並びの基準になります。

②5,6歳ころに隙間があるか。
永久歯に生え替わる前の5,6歳ころに永久歯に生え替わる為のスペースがあるか確認します。

③上顎前歯の間に少しの隙間があるか。
あまり広すぎる隙間があるのも問題になります。大体5㎜以下が目安です。

④側切歯の生える位置。
顎の成長がしっかりと進んでいない場合、後から生えた永久歯が先に生えている歯の裏側に生え始めることがあります。

⑤上下の前歯の前後関係。
特に下顎前歯が上顎前歯より外側に生えてきていると、反対咬合(受け口、しゃくれ、下顎前突)になります。そのまま成長が続くと、不正咬合の度合いが悪化することもあります。

⑥水平方向の確認。
特に奥歯の生え方が水平方向(横)にずれていないかの確認が必要です。交叉咬合(クロスバイト)になっていないかを確認します。

顎の成長、歯の生え替わり時期などは人それぞれ違います。
そのため、誰でも当てはまることはなかなか言い切れません。
大切なことは口腔内の衛生管理(しっかりとした歯磨き)と、
歯に注意を向けることだと思います。
そして慌てずに対処することです。
不正咬合が悪化する前に矯正治療することは大切ですが、
それもしっかりと検査、診断したうえで決めていくことが何より大切になります。
顎の成長過程を確認するためにも、
一度矯正専門医に検査してもらうこともできるので、気になる場合は相談してみていただければと思います。

小児矯正のブラケット治療で注意したいこと

小児矯正のアプローチや使用する矯正装置は
その患者さんの成長度合いによって変わってきます。

床矯正と呼ばれる取り外し式のものを使用することもありますし、
フェイスマスクやチンキャップなど口腔外で使用するものもあります。
顎の骨の成長を促し、上顎前突(出っ歯)や
下顎前突(反対咬合、受け口)など重度の不正咬合を
早い段階で治療していくことが出来るのが小児矯正のメリットの一つです。

もちろん成人の矯正と同じようにブラケットを装着しての治療の場合もあります。
今回はブラケット治療での注意点を少しまとめてみたいと思います。

① 齲蝕(虫歯)

歯にブラケットとワイヤーが装着される矯正治療は、
当然ブラッシングのハードルが上がります。
専用の歯ブラシを矯正専門医院では準備されているところがほとんどだと思いますが、
それでも丁寧なブラッシングがとても大切です。
これは以前書いたことがありますが、
万が一虫歯になると一旦矯正装置を外し、
虫歯治療をしたうえで矯正治療を再開するということになってしまいます。
治療期間が長くなるだけでなく、
余計な費用も掛かってしまうため、注意が必要です。

② 口内炎

最近のブラケットは角が取れて丸みを帯びているものがほとんどです。
基本的に昔と比べて装置が引っかかって口内炎になる可能性は下がってきています。
ただ、ブラケットとワイヤーを止めている結紮線という
細い針金が何かの拍子に飛び出してしまったり、
メインのワイヤーの端が頬の内側に当たってしまい口内炎になってしまうことが
稀にあります。丁寧な歯磨きと同時にそういったワイヤーなどが
飛び出していないかをチェックし、
もし飛び出していることがあれば早めに矯正専門医に連絡し、
調整してもらうようにしましょう。

③ ブラケットの脱離

とても硬いものを噛んだり、スポーツ中の衝撃などでブラケットが
歯から外れてしまうことがあります。矯正装置は、銀歯や差し歯と違い
最終的に外す前提のものですので接着をMAXにすることが出来ません。
もし銀歯や差し歯と同じ様に接着してしまったら、矯正治療後に矯正装置を
外せなくなってしまうからです。
口内炎と同様、万が一外れた場合はできるだけ早く医院に連絡し、
矯正治療専門医に対応してもうらようにしましょう。

④ 触る

歯が動き始めると人によって痛みを感じる場合があります。
痛みまでではなくても違和感が生じることから、
ブラケットを意味もなく触ってしまう(いじってしまう)ことがよくあります。
これは脱離につながる可能性があがることと、
雑菌が口腔内に入り、衛生的にも良くありません。
ブラケットを触る癖がつかないよう、
親御さんの方でチェックするようにしてください。

基本的に衛生的にすること、
そして万が一矯正装置に問題が起きたら
できるだけ早く通っている矯正専門医に連絡して対処してもらうことが大切です。
小児矯正の場合は上記の注意点を親御さんも
一緒にケアしながら矯正治療期間を過ごしていっていただければと思います。

小児矯正 / 子供の癖をチェック

小児矯正については様々な情報を目にすることが多くなってきました。
これまで横浜ひらの矯正歯科からも
小児矯正に関しての情報をお伝えしてきました。

小児矯正のメリットは顎の骨の成長を促しながら治療出来ることから、
非抜歯での治療(永久歯を抜かない)の可能性が高まるといわれています。

ただ、患者さんのそれまでの成長度合いや遺伝的要素なども関係してくるため、
一概に小児矯正は非抜歯とは言い切れないのが事実です。

矯正治療を開始する時期に関しても様々な考え方があり、
やはり患者さんの不正咬合の状態を確認した上で
決定するのが良いと思います。

今日は歯並びや噛み合せを悪くしてしまう
様々な「癖」をまとめてみたいと思います。

歯並びだけでなく、噛み合せの悪化につながるこれらの癖は、
矯正治療を受ける、受けない以前に、改善しておく必要があります。

①舌癖

舌癖に関してはこれまでも書いてきたことがありますが、
歯並びへの大きな影響を与える要因の一つです。
舌の位置が上顎前歯の根元部分に軽く当たっている状態が正常な状態です。

②頬杖

頬杖をする癖があると、頭の重さが顎にかかることになり、
顎関節に悪影響を与える可能性があります。

③爪を噛む、指しゃぶり

爪を噛む癖があると、必要以上に歯と歯茎に力が加わり続けることになります。
また指しゃぶりも続いた場合、
歯が前に出て上顎前突(出っ歯)や下顎前突(反対咬合、受け口)
になってしまったり、開口(オープンバイト)につながるリスクがあります。

④唇を噛む

実際唇を噛むとわかりますが、下顎が少し前に出たり、
やはり様々な弊害につながる可能性があります。

⑤食事、丸飲み

これはよく耳にすると思いますが、
軟らかいものばかり食べているのも問題です。
噛む回数が少ないと歯槽骨、咀嚼筋(そしゃくきん)が弱ってしまいます。
噛む機能と脳の発達の関係も最近注目されてきていますが、
よく噛むということは健康と成長に大きな影響を与えます。

⑥口呼吸

口呼吸の原因は様々で、鼻炎などから来ているものもあります。
口呼吸が続くと口腔内が乾燥することで、
齲蝕(虫歯)リスクが高まるということもありますが、
舌癖にもつながります。

⑦歯ぎしり

歯ぎしりの原因も様々です。
ストレスも大きな原因の一つとして考えられていますが、
歯ぎしりがひどくなると、顎関節に悪影響を与え、
また上下顎の水平方向のズレにつながります。
更に歯がすり減ってしまうということもあります。

始めに書いたように小児矯正の場合であっても
成人の矯正の場合であっても個人によってしっかりとした
検査、診断をして治療計画を考えていくことが大切です。

ただ今回まとめてみたように、
様々な癖を改善することが出来れば、
不正咬合を防げることもあります。

すでに歯並びが悪い場合だとそれが悪化することを防ぐことにもつながります。
日々のお子様に上記のような癖がないかぜひ確認していただければと思います。

交叉咬合について

今回は様々ある不正咬合のうち、交叉咬合についてご紹介したいと思います。
交叉咬合は「すれ違い咬合」とも呼ばれ、
我々矯正治療専門医はクロスバイトと呼んでいます。

交叉咬合は上下の噛み合せが横方向にずれている状態で、
歯の生え方の問題、あるいは顎の位置に問題があるものとあります。
本来正常な噛み合せをしている場合、
上下の正中線(一番前の歯二本の間)が揃い、
上顎の歯は下顎の歯の少し外側(頬側)に被さっています。
顎が横にずれていることから生じる交叉咬合は、正中線がずれ、
上顎の歯牙が下顎の内側に入ってしまいます。

この交叉咬合の問題もいくつかありますが、
まず挙げられるのが咀嚼機能の低下です。
顎がずれているため、特に奥歯での咀嚼機能に問題が生じやすく、
また放っておくと更に悪化する可能性も高いといえます。

原因は様々あり、遺伝的なものから外的要因とあります。

外的要因で言うと、常に同じ方向で頬杖を突くことから影響を受けたり、
舌癖や口呼吸が原因となっていることもあります。
また軟らかいものばかり食べることによる骨の成長バランスが
原因となっていることもあります。
骨のバランスがおかしくなり、交叉咬合になってくると、
食べ物を噛む度に強く噛みこむ部分と、
ほぼ噛めない部分が分かれて不正咬合は更に悪化します。
また食べ物をすり潰す機能が左右どちらかに偏ってしまい、
顎関節症などにつながってしまうケースもあります。

乳歯列期において正中線が揃っているかを確認することで、
交叉咬合の可能性を診ることもできます。
正中線が揃っていない場合、
左右の奥歯が交叉咬合になっていないかを確認しましょう。
もし下顎が外側に出ている歯がある場合は
早めの改善を検討したほうが良いでしょう。

上顎前突(出っ歯)、下顎前突(反対咬合、受け口、しゃくれ)など
これまで様々な不正咬合をご紹介してきましたが、
交叉咬合は悪化すると顔の歪みまで生じてしまいます。
咀嚼機能、見た目両面から弊害が大きくなる交叉咬合は
骨の成長をコントロールしながらの早い段階での治療が大切です。 

子供のころ矯正治療をしなかった理由

近年、成人の方の矯正治療患者が増えてきているということを少し前に書きました。
その背景としてはビジネス的な理由から発音などの問題の改善、
第一印象の重要さが考えられ、更に矯正治療中においても
表から見えない裏側矯正(リンガル、舌側矯正)が発展してきているというものでした。

では成人になって矯正治療を始めた方に、
いつごろから矯正治療を意識し始めたのかを聞いてみると
意外と子供のころから歯並びが気になっていたという回答が多いのに驚かされます。

以前も少し紹介したことがありますが、
今回は成人の患者さんがなぜ子供のころに矯正治療を開始しなかったのか
という点を少し細かく見ていってみようと思います。
まずは調査会社が行った矯正治療意向調査をご紹介します。

■子供のころに歯列矯正をしなかった理由は?

1位:43.7% 矯正治療したいと思わなかった
2位:32.3% 治療したいと思ったが親に相談しなかった
3位:24.1% 親に相談したが治療に至らなかった

■治療したいと思わなかった理由は?

1位:61.8% 矯正装置の見た目
2位:51.3% 治療費が高い
3位:34.2% 矯正治療中の痛み
4位:11.8% 食事や歯磨きの負担
5位:10.5% 部活や受験への影響を考えて
6位:14.5% その他

まず、約10人中4人が矯正したいと思わなかったということが出ています。
注目したいのがその理由です。
今回の調査に協力してくれた成人の方が子供のころと、
今ではだいぶ状況が変わってきているため、
幾つかの矯正治療をしない理由というのは今では解決されていたりします。

まず矯正装置の見た目に関してですが、
見えない裏側矯正やマウスピース矯正が発展してきたため
だいぶ解決されてきています。
3位の痛みと受験や部活動への影響に関しては、
本当に弱い力で治療するために作られた材質のワイヤーや、
矯正治療専門医のテクニックによって
だいぶ解決されてきています。
昔はワイヤーにステンレス製のものを使っていたので、
今と比べてはるかに強い力を加えることになっていました。

治療費に関しては各矯正歯科医院によって違う為なんとも言えませんが、
「高い」というイメージから親に相談せずに
過ごしている子供さんもいらっしゃるかもしれません。

横浜ひらの矯正歯科では子供の患者さんが多く来院されています。
裏側矯正を選ぶ場合もありますが、
表側の白いブラケットでの矯正治療を行う患者さんも多くいらっしゃいます。
これは体感ですが、審美ブラケットと呼ばれる表側ブラケットでの治療に関しても、
一昔前と比べてはるかに抵抗がなくなってきている気がします。
1学年に一人いるかいないかの矯正治療割合が、
1クラスに何人も治療しているという話も良く耳にします。

今から10年経って今を振り返ると、
もしかしたら矯正治療をしなかった理由は全く違う結果が出るのかもしれませんね。