2023/09/06
今回は、患者さんからお問い合わせいただくことがある、たらこ唇についてお話していきたいと思います。
ふっくらとした厚みのある唇のことを「たらこ唇」と呼ぶことがあります。実は「たらこ唇」という言葉は医療用語ではなく、明確な定義はありませんが、唇全体の厚みが約2.5cm以上の唇のことをそう呼ぶようです。
この厚みのある唇に対しての感じ方は個人差があります。人によってはメイク映えがするので好きという人もいれば、目立ちすぎて嫌なので治療したいという人もいます。ではこのたらこ唇は治療によって変化させることはできるのでしょうか?
たらこ唇になっている原因はいくつか考えられますので、パターン毎に見ていきましょう。
・不正咬合が原因になっている
上顎前突(出っ歯)や下顎前突(しゃくれ)など歯が唇を前に押している場合、唇の見える面積が増えるため、たらこ唇に見えることがあります。このパターンでは、矯正治療によって上顎前突、下顎前突を改善すると唇の見える面積が小さくなる可能性があります。
・唇が肉厚
そもそも唇自体がもともと肉厚な方もいます。治療するとなると手術等で唇の厚み自体を薄くするという方法になります。
この様にたらこ唇の原因にも種類があるのがお分かりいただけたのではないでしょうか。また、不正咬合が原因になっている場合、子供の頃からの癖が原因になっている可能性もあります。
・指しゃぶり
指しゃぶりの癖がなかなか無くならない場合、上下の前歯が前に押し出されるような力が加わり続けます。結果として、前歯部が前突するような不正咬合の原因になる可能性があります。
・口呼吸
歯並びは本来、舌が歯を押す力と唇が歯を押し返す力でバランスがとれるようになっています。しかし、口呼吸が癖になっている場合、舌が歯を押す力に対して唇が歯を押し返す力が弱くなります。その結果、歯が前方に押し出される力が加わり続けるので、不正咬合になる可能性があります。
この他にも遺伝によるものなど、不正咬合の原因は様々なので、この癖がないから大丈夫というわけではありませんが、もし癖があるなと思い当たる方は少し意識して改善を試みるものいいのではないでしょうか。
たらこ唇は本人の認識の差が大きいですが、コンプレックスだと感じる方は一度検査だけでもしてみるのも有効ではないかと思います。改善の可能性なども確認できますので、いつでもお気軽にご相談ください。