2022/10/01
今回は、虫歯などの治療時に使用した詰め物が、よく取れてしまうというお悩みに対して少しお話していきたいと思います。
治療した歯の詰め物などが繰り返し取れてしまうとその度に治して、やはり外れてしまうので違う歯科医院で治療をしてもらってもやはり詰め物が取れてしまい、半ば諦め気味になっているというお話を聞くこともあります。しかしこの詰め物が取れてしまう原因の中に、患者さん自身の噛み合わせが関係している場合もあるので、そこをもう少し掘り下げてみたいと思います。
・食いしばりによる影響
つい知らないうちに、歯をぐっと食いしばる習慣があるという人は少なくありません。スポーツをしている時や力を入れて何かを持ち上げるとき、集中して何かの作業をしている時など無意識のうちに食いしばりは起きているものなのです。
しかしこの歯を食いしばるという行為は、歯に過度な力を掛けてしまいます。(ご自身の体重位の力が歯に掛かると言われています。)しっかりと上下の歯が咬み合っている状態であれば、その掛かる力を分散することができるのですが、噛み合わせが悪いと当たっている歯だけでその力を受け止めてしまうことになります。
そうするとそこに詰め物があった場合、詰め物と接着剤の層にひびが入り、取れてしまう原因となります。
・歯ぎしりによる原因
歯ぎしりには様々な要因があるため、一概にこれが原因と言い切ることは難しいのですが、特に成人の場合は噛み合わせが悪いと歯ぎしりが起こりやすい傾向にあります。
そうすると、上にも書きましたが歯に過度な力が掛かってしまい、詰め物が取れてしまう原因となります。
この様に、ほんの一例にはなりますが、噛み合わせが原因によって詰め物が取れてしまうという症状をお話してきました。同じ歯の詰め物がよく取れてしまうなというお悩みの方は一度噛み合わせの相談に行ってみることをお勧めします。
また、詰め物が無い人でも他人から食いしばりや歯ぎしりを指摘されたことがあるという方も同様にチェックしてみるのは如何でしょうか。
今は健康な歯でも、ずっと力が掛かり続けてしまうと歯が欠けたり、ひび割れてしまう可能性もありますので、思い当たる方はお早めにご相談ください。