2022/08/04
今回は、歯並びの変化に注目し、大人になってから歯並びが悪くならないために出来ることを考えていきたいと思います。
当院では、昔診断だけ来てその後治療をしなかったという方が再来院することがあります。
理由は様々なのですが、以前診断した時より歯並びが悪くなった(気になるようになった)ということで再検査をされます。
実際時間と共に歯並びが変化するという事は十分に考えられますし、それによって不調が出る可能性もあります。
では何故長年付き合ってきた自分の歯並びが変わってしまうのか、まずその原因をピックアップしてみます。
1、食事の影響
食事の際の咀嚼は、基本的に奥歯から前の方に押されるような動きになるため、歯は前方へ少しずつ押し出される力が掛かります。
それが時間の経過によって歯並びが変化する要因となります。
また、片側だけで噛んでいるなど、そしゃくの左右のバランスが崩れている状態ではさらに悪くなる要因にもなります。
2、癖による影響
爪を噛む、姿勢が悪い、頰づえをつく、歯ぎしりをしているなど、悪い生活習慣によって外部から歯列に不必要な力が掛かってしまい、歯並びが変化してしまうこともあります。
3、親知らずによる影響
親知らずを抜歯すると、歯列の中にスペースができるため、歯並びが動いてしまう可能性があります。
また反対に、親知らずを抜歯せずにいると、前方に押し出される力が掛かってしまうこともあり、これも歯並びが崩れる要因となりえます。
4、歯周病による影響
歯周病になってしまうと、歯茎の中の歯槽骨が溶けてしまうことがあります。
歯槽骨は歯を支える土台となっており、その土台が崩れてしまうため、歯並びが維持できずに乱れてしまうことになります。
歯並びが変化する要因としていくつか挙げてみましたが、まだまだ人によって様々な要因がありますし、複数の要因が絡み合って変化することも考えられます。
では、それを踏まえてどうすれば歯並びが悪くならないように出来るかを考えていきましょう。
実は、1,2,4に関しては皆さまご自身でケアすることで回避できます。
毎日の食事の際の咀嚼に意識を向けると、意外に左右バランスよく嚙んでいないことに気づいたり、頬杖をつく癖に気づくだけでもだいぶ違います。
また、毎日のブラッシングに、歯垢染色液を試してみることで磨き残しを明確に歯周病リスクを下げることが出来ます。
問題は3を含む患者さんご自身で判断することが出来ないものです。
親知らずだけでなく、歯茎の中に埋まっている歯根や歯槽骨の状態などは、歯科医院で検査が必要です。
普段の生活から、大人になってからの歯並び悪化を防ぐことはできますが、気になる部分が出てきた場合は、早めに歯科医院で検査してみてください。