2022/05/02
今回は、慢性鼻炎と歯並びの関係性についてお話していきたいと思います。
春や秋になると街中で花粉症の方のくしゃみがよく聞こえてきます。
花粉症も鼻炎の1種ですが、それ以外にもハウスダストや温度差による鼻炎などもよく聞く鼻炎ではないかと思います。
この鼻の問題である鼻炎がなぜ歯並びに影響を及ぼすのでしょうか?
結論から言いますと、鼻炎がある状態だと鼻で呼吸が出来なくなるため、口呼吸をせざる負えなくなります。この口呼吸が歯並びにとって、悪影響を及ぼします。
人間の歯は、頬や唇などによって外から内に掛かる力と、舌によって内から外に掛かる力のバランスをとって同じ位置に維持されています。
しかし、口呼吸が常態化してしまうと、常に口が開いていることになります。そのため、唇によって外から内に押さえつける力が弱くなり、歯が外側に移動してしまうという事が起こりえます。年齢の小さいお子さんの時からこの様な口呼吸が癖のようになってしまうと、歯並びが悪くなってしまう可能性がかなり高くなります。
また、口呼吸による弊害は歯並び以外にもあります。
一つは風邪などをひきやすくなるということです。
鼻の粘膜には菌やウイルスを体内に入れないための機能が備わっています。しかし、口呼吸をしてしまうという事は、その菌やウイルスを直接体内に入れてしまうという事になります。今はコロナウイルスのまん延で皆さんマスクをしていますが、マスクを外して生活するようになった際に風邪やインフルエンザなどの病気にかかりやすくなる可能性はあります。
次に虫歯リスクの上昇があります。唾液には汚れや菌などを取り除く自浄作用があります。しかし口呼吸で口腔内が乾燥してしまうと、その唾液による自浄作用がうまく働かず、菌が繁殖しやすくなります。その結果として、虫歯や口臭の原因にもなります。
この様に、口呼吸には様々なデメリットがあります。慢性鼻炎はその口呼吸を誘発してしまう結果となりますので、早めの対処が有効的かと思います。
また、一度歯並びが乱れてしまうと、清掃性が悪くなったり、噛み合わせの不一致による体調の変化なども考えられるため、矯正治療も検討していただくのが良いかと思います。
初めての治療で不安な方も多いかと思いますので、わからないことなどいつでもお気軽に相談していただけたらと思います。