2021/03/14
今回は、電動歯ブラシというテーマで少しお話していきたいと思います。
最近、新型コロナウイルスによる感染予防対策としてマスクを常時装着するという習慣から、矯正治療を開始する・開始しようかと相談に来られる方が増えています。
矯正治療では、私たち矯正歯科医が矯正装置(ブラケット、ワイヤー)を装着して治療を行っていくのですが、
患者さんにも自宅での顎間ゴムやしっかりとしたブラッシングをお願いしているため、そういったトレーニングを治療中に行うこともあります。
その際によく、歯ブラシは電動にした方がいいのかといった相談を受けることがありますので、こちらについて掘り下げていきたいと思います。
◆電動歯ブラシとは
まず電動歯ブラシは大きく分けて電動歯ブラシとアシストブラシの2種類に分けられます。
電動歯ブラシとは皆さんが思っているタイプだと思うのですが、電動でブラシの部分が回転・スライドもしくはその両方の動きをするもので、
歯に軽く押し当てておくだけで歯ブラシが勝手に動いて歯面を清掃してくれるというものです。
最近ではアプリと連動して、押し付けすぎや磨いた部分を教えてくれるものなどもあるようです。
それに対してアシストブラシとは、ブラシの毛先部分が微細な振動をするように設計されており、文字の通りブラッシングをアシストしてくれるものです。
つまり、こちらは使用者が手で歯ブラシを動かして磨く動作が必要となります。
◆電動歯ブラシのメリット・デメリット
メリット
・歯垢除去能力が高い
・当てているだけで歯面を磨いてくれるので楽
・上手く当てれば矯正装置の細かい隙間まで磨きやすい
デメリット
・性能によってかなり高価なものが多い
・振動などが気になるという人もいる
・力を入れすぎると矯正装置の破損に繋がることもある
もちろんこれ以外にも細かいメリットやデメリットは人によってたくさんあるかと思います。
では実際電動歯ブラシはお勧めなのかというお話ですが、矯正装置の種類に左右される部分もあり、必須だとは思っていません。
メリット・デメリットの所にも矯正治療としての内容を記載しましたが、上手く使える場合は非常にメリットがある一方、
使い方を間違えてしまうと治療の影響が出てしまうこともあります。
また、矯正治療中の歯磨き専用の歯ブラシでブラケットの隙間やワイヤーと歯の間に毛先が入りこんで磨けるタイプなどもあり、
そういった歯ブラシの方がトラブルにはなりにくいと思います。
そのため、電動歯ブラシに関して言えば、矯正治療後に患者さん自身で持ってみた重さ、
ヘッドの形状や大小など使いやすいと感じるものを選ぶのが一番いいかと思います。
これまでも伝えてきましたが、矯正治療でのメリットとして、歯並びの見た目の改善ももちろんですが、
歯並びが改善されると叢生(凸凹、乱ぐい歯)で歯が重なっている部分が少なくなるため歯磨きがしやすくなります。
また矯正装置を装着している間にかなりブラッシングの技術は高くなっているかと思いますので、矯正治療中、矯正治療後もお口の健康を守っていければと思います。