2020/09/22
今日は口唇裂(こうしんれつ)と口蓋裂(こうがいれつ)、顎裂(がくれつ)について少し書いていこうと思います。
口唇裂、口蓋裂は、顎裂は、形成外科として扱われる先天性異常の疾患として知られています。胎児のうちになんだかの影響を受けて起こります。
遺伝によるもの、そうでないそれ以外のものなど原因は様々で、患者さんごとの原因を完全に特定することは難しいとされています。
発症確立では、4~600人に一人と言われています。
■口唇裂
口唇裂は、程度によりますが唇に割れ目がある状態で、軽いものから鼻まで割れ目が届いているケース、1か所だけ割れ目があるもの、2か所割れ目があるものとあります。
■口蓋裂
口蓋裂は口の中の上部に割れ目が存在するものです。
口を閉じていればわからない疾患ですが、鼻とつながっている為様々なトラブルにつながっているケースがほとんどです。
発音の問題や気管に問題が起きてしまうリスクもあります。
■顎裂
顎裂は、歯茎に割れ目が存在している状態を指します。
多くの場合、口唇裂や口蓋裂に合併しています。
歯茎に隙間が存在するため、歯列弓(歯の並びのこと)が正常ではなく、噛み合わせや歯並びの問題が生じています。
これらの疾患で症状が重度の場合は生後3か月前後に手術をするケースがほとんどです。しかし、口唇裂などでそれほど症状がひどくない場合、そのままにしている方もいらっしゃいます。あるいは小さいころに手術を行っても、歯列異常は改善されていないケースが多く存在します。
特に顎裂の場合、歯茎に隙間があるため隣の歯のバランスがおかしくなり、
ほとんどの場合不正咬合になっています。
こういった疾患の矯正治療は症状が軽ければ通常の矯正治療で治っていきますが、
歯を並べるための土台づくりが大切になるため、患者さんの状態、年齢によって治療内容が変わってきます。
単にブラケット(矯正装置)をつけて歯を並べようとすると、状態によっては悪化してしまうリスクもあるため、各症状の度合いや成長状況を見て、場合によっては外科とタイアップしながら丁寧に治療を進める必要があります。
全ての不正咬合において、表側から見えない骨、歯根の状況なども検査したうえで治療計画を立てていきますが、口唇裂、口蓋裂、顎裂の場合は特に丁寧に状態を把握したうえで治療計画を立てていきますので、気になる症状の方は、矯正専門医院に早めにお問合せ下さい。
※上記症状は健康保険適応となりますが当院では健康保険の取り扱いはないため健康保険取り扱いクリニックまたは大学病院等へお問い合わせ下さい。