2020/09/14
今日は顎の成長と歯並びについて少し書いていこうと思います。
まず、第一にお伝えしておきたいのが、顎の骨と歯並びは密接に関わっているということです。
少し当たり前の話ですが、歯は顎の骨が土台となり、
その大きさ(広さ)や形に大きく影響を受けます。
そのため、顎の骨の成長は、歯並びに大きく影響を与えるということは間違いありません。顎の成長が正常に進まないと、様々な不正咬合の原因となってしまうことが多々あります。
■顎の成長がしっかりと進まない原因は?
これは子どもによって様々ですが、大きく遺伝などの先天的要因と、後天的なものにわかれます。後天的な原因としては、頬杖などの悪習慣により、余計な力が顎に加わることによるものや、やわらかいものばかりを食べることなどが考えられます。
■顎の成長がおかしくなるとどうなる?
しっかりと顎が広がらなかった場合は、永久歯が並ぶスペースが足りず、叢生(乱ぐい歯や八重歯)や捻転(歯がねじれている状態)などが起きてきます。左右バランスが整わないと、噛み合わせがズレることから顎関節症にまで発展するケースもあります。
また、上下のどちらかがうまく成長しないことでは、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)などにもなります。
■成長の確認
基本的に顎の骨は上顎が先に成長し、下顎はそれについていく順番で成長していきます。そのため、もし下顎の方が広がる、あるいは下顎前突のようになり始めていたとしたら、早めの検査をお勧めします。
そもそも外から見ても明らかな劣成長がわからない場合は、一度セファロなどの頭部X線写真を撮って確認することも可能です。
セファロはX線カメラで頭の正面と側面から撮ります。
そして重要になる歯の先端や顎の先端、大臼歯の位置関係などを線で結び、正常なものと比較して状態を正確に確認することが出来ます。
■早めの検査がなぜ重要?
骨の成長は、成人になり止まってしまうとどうすることもできません。
重度の不正咬合になっている場合、外科手術(骨切りと呼ばれる治療など)が必要になってくる可能性があります。
しかし、骨の成長がまだまだ進む段階の子どもであれば、
骨の成長を促す治療方法がたくさんあります。
将来の外科手術や、抜歯の可能性を下げておくことが出来るのです。
今日は少し怖いお話を書きましたが、逆に早めの検査をすることで安心して頂けることの方が多いと思います。
検査をすることで治療をしないでよいという結論も多々ありますので、
少しでも気になることがあれば早めに確認してみることをお勧めいたします。