2018/06/08
今回は、歯並びはそもそもどこから由来するのか?
という視点で少し書いてみようと思います。
横浜ひらの矯正歯科では、
小児矯正治療を受けられる患者さんが多くいらっしゃいます。
まずは、中でもよく受ける質問の一つをご紹介します。
Q)歯並びは遺伝しますか?
というものです。
歯並びが遺伝するか?ということを
懸念されている親御さんは実際多いのではないでしょうか?
赤ちゃんが生まれたときに、「お父さんに似てる」「お母さんそっくり!」
といった感動はだれでもお持ちかと思います。
成長していくにつれて、なおさら親御さんに似てくる
ということも結構ありますよね。
そういったところから考えると、
歯並びも遺伝するのではないかという疑問も確かにわいてきます。
結論から言うと、歯並び、特に顎の形に起因した歯並びが遺伝することがあります。
歯の本数などもその可能性があります。
※必ずしも遺伝するわけではありません。
歯はお母さんのお腹の中にいるときから存在し、
顎の中で成長が始まります。
歯がある程度大きくなると乳歯として生えてきます。
永久歯も同じく顎の骨の中で成長し、
6歳前後を境にして乳歯に替わって生えてきます。
舌癖や、頬杖、虫歯、歯周病などによる外的要因も大きく関係しますが、
ポイントは顎の中に歯は収まっているということです。
上に書いた通り、顎の骨は遺伝的影響を大きく受けます。
特に大きく遺伝的影響を受けているのがわかる不正咬合が
下顎前突(しゃくれ、反対咬合、受け口)です。
ハプスブルク家(オーストリア王家)が下顎前突の遺伝が続いた
という話も有名だったりしますが、
骨のサイズや上下顎の位置関係などが
遺伝的影響を受けることは多々あります。
とはいえ不正咬合の症状の度合いは親子で違うことは
もちろんありますし、逆に子供のうちから注意することで
不正咬合の症状をある程度抑えることもできたりします。
それは食事の時にしっかりと噛む癖をつけるということです。
不正咬合の中に叢生(デコボコ、乱ぐい歯、八重歯)や
捻転(ローテーション)というものがあります。
多くの場合、遺伝的、あるいは後天的に顎の骨の成長があまり進まず、
歯が並ぶスペースをしっかりと確保できないことから起こります。
つまり、小さいうちからしっかりと顎を使い、
骨の成長も促進させることができれば、
叢生などの不正咬合を抑える、
あるいは症状を軽くすることにつながってくるということです。
顎の骨の形は遺伝に影響を受けます。
しかし、顎の骨の中に納まっている歯は、
顎の骨の成長をサポートすることで、
しっかりと並ぶことにつなげられるということです。
健康という観点からももちろんしっかりと噛むことは大切ですが、
実は歯並びにも関係してくるということを覚えていただければ幸いです。