2016/06/28
様々な不正咬合がある中で、隙っ歯というものがあります。
正確には空隙歯列(くうげきしれつ)と呼びますが、
歯と歯の間に隙間がある症状を指します。
顎が狭く、歯が並ぶスペースが足りていない場合、
歯列は叢生(デコボコ、乱ぐい歯、八重歯)になりやすくなりますが、
空隙歯列はその逆と考えるとわかりやすいかもしれません。
(正中だけ隙間があり、そのほかが叢生というケースもある為、
一概には言えませんが)
今回はこの空隙歯列のうちの正中離開に注目しながら
空隙歯列に関して考えていってみたいと思います。
■正中離開(せいちゅうりかい)について
まず正中離開についてですが、
隙っ歯の中でも真ん中の2本の前歯の間(正中)に隙間が生じているものを指します。
正中離開にはいくつか原因が考えらえていて、
その一つに上唇小帯(じょうしんしょうたい)と呼ばれる
粘膜(前歯の付け根から唇にかけてつながっている部分)が
異常発達したことにより隙間を生み出すということがあります。
また正中過剰埋伏歯(せいちゅうかじょうまいふくし)といって、
本来ないはずの歯、三本目の前歯が歯茎の中にいて、
それが本来の前歯2本を押し広げる力を加えることで
正中離開になることもあります。
ちなみに正中過剰埋伏歯には自覚症状は、ほぼなく、
レントゲンなどでチェックするまで気づかないというケースがほとんどです。
正中離開の矯正治療アプローチとしては、
隙間を単に埋めていくというだけでなく、
正中過剰埋伏歯が原因の場合は埋伏歯を除去することから
治療を始める必要が出てきます。
■空隙歯列の弊害について
乳歯列期には自然と隙間があり、
永久歯になってそのまま隙間が埋まって揃う
ということは多々あります。
そのため、隙間があるからといって
急いで判断する必要はありません。
しかし永久歯列になっても空隙がある場合は幾つかの弊害も生まれます。
息漏れからくる発音の問題、見た目の問題などです。
空隙歯列の治療も患者さんの状況、
原因によってアプローチが変わってきます。
矯正治療の開始時期に関しても検査をしたうえで
判断していく必要があります。
過剰埋伏歯のように、肉眼で判断することが出来ないことが
原因の可能性もありますので、
気になることがあれば矯正専門医にご相談頂ければと思います。