不正咬合の割合

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不正咬合の割合

これまで様々な不正咬合についての特徴や原因、治療方法について書いてきました。
今日は日本人の前歯の不正咬合のうちわけというデータを見つけましたので、
ご紹介したいと思います。

これは平成17年厚生労働省が行った歯科疾患実態調査結果にでていたものです。

歯科疾患実態調査というのは厚生労働省が定期的に発表しているもので、
歯科に関する傾向について色々知ることが出来ます。

今回の調査は12歳から20歳までの男女246名を対象に行った調査です。

「日本人に見られる前歯の不正咬合うちわけ」

1位)叢生:40%
2位)上顎前突:13%
3位)空隙:12%
4位)過蓋咬合:8%
5位)開口:3%
6位)反対咬合:2%

不正咬合は一人一人まったく状況が違い、
ここに挙がっているもの以外でも色々あります。

順を追って見ていってみましょう。

40%もの方が叢生で1位となっています。
叢生は「乱ぐい歯」や「八重歯」のことで、
いわゆるデコボコの状態です。

歯が重なっていることで歯ブラシが届きにくいなどのトラブルにつながり、
歯周病、齲蝕(虫歯)などの原因になります。

2位の上顎前突はいわゆる出っ歯のことを指します。
上顎前突は前歯の切端(先端)が外側に倒れているものや、
上顎自体が前に出ている場合などがあります。
顔立ちに大きく影響するため、多くの方が矯正治療を受けに来られています。

3位の空隙は隙っ歯のことです。
13%と出ていますが実際はもう少し多き気がします。
特に前歯に空隙があると笑顔を見せたときに目立ってしまうため、
第一印象などに大きく影響を与える可能性があります。
結婚前や就活前に空隙の改善を望まれる方が最近は増えてきている症状です。

4位の過蓋咬合というのはあまり耳慣れない言葉かもしれません。
ディープバイトとも呼ばれ、下の歯列が見えない位
上顎前歯が下顎に覆いかぶさっている症状です。
下顎前歯の切端が上顎前歯の根本にあたり、
歯肉にダメージを与えてしまう可能性が高い症状です。

5位の開口はこれの反対で、前歯が噛み合うことが出来ない症状で、
オープンバイトとも呼びます。
発音の影響が懸念されますが、
放っておくと舌が常に上下の歯の間に入ってくるため、
開口が悪化することが多々あります。

最後の6位の反対咬合はいわゆる「しゃくれ」ている症状です。
下顎前突、受け口とも呼ばれ、
これも上顎前突同様見た目にかなり影響を与えます。
また下顎前突は口元が下がった顔立ちになりやすく、
常に怒っているような表情に見られがちです。

日本人の傾向は今回の調査で少し見えてきましたが、
実際は幾つかの症状が重複してあるということもあります。
またそれぞれの症状の原因が顎の骨の問題や、
噛み合わせの問題、遺伝など人それぞれ違います。
矯正専門医としては原因をしっかりと見極めたうえで
治療方針を決めて、最良の矯正治療結果を提供していければと考えています。