2014/10/28
受け口とは下顎が前に出ている状態のことを指します。
正確に言うと第一大臼歯の上下顎の位置関係での判断になりますが、
一般的に分かり易く言うと言葉は良くありませんが
いわゆる「しゃくれ」ている症状です。
これを「受け口」「反対咬合」「三級咬合」とも言います。
多くの受け口の改善を求めた患者さんや子供さんが
ひらの矯正歯科にも来られます。
今日は出っ歯と同じく、日本人に多い「受け口」に関しての
ブログを書いてみたいと思います。
今回コラムとして受け口に関して書こうと思ったのには訳があります。
それは、受け口は見た目だけの問題ではない
というメッセージをお伝えしたかったからです。
今年の歯科医師会の学会(ワールドデンタルショーなど)でも発表されていましたし、
厚労省の発表にもありますが、
【8020運動の達成者の中に受け口の患者さんは一人もいなかった】という事実です。
8020運動とは、80歳までに自分の歯を20本は残そうと始まった運動のことです。
つまり、反対咬合、受け口の患者さんは20本の歯を残すことが
きわめて難しいということです。
ほとんどの受け口の患者さんは、見た目の改善を求めて来院されています。
しかし、見た目以上に「歯を残す」という視点で考えると
「矯正治療をするべき」状態なのが分かってきます。
受け口の治療は、歯並びを治すだけでなく、
顎の関節など様々なものが絡んできます。
子供の時期の骨格性の受け口(骨格性反対咬合)を
放置してしまうと重症化し歯列矯正のみでは
治すことが出来ずに外科手術併用の外科矯正が
必要となってしまうこともあります。
そのため子供のうちから顎の成長を見ながら矯正治療をすることは、
とても大きな意味があります。
もし子供が受け口だった場合、
大人になってから外科手術が必要になる前に
一度矯正治療専門医に診てもらうようにしたいですね。