ひらの矯正歯科「小児矯正ブログ」

目立たない装置で矯正できます。横浜(神奈川県)の子供矯正(こどもの矯正、小児矯正)は当歯科医院へ。

たらこ唇は治せるの?

 

今回は、患者さんからお問い合わせいただくことがある、たらこ唇についてお話していきたいと思います。

 

ふっくらとした厚みのある唇のことを「たらこ唇」と呼ぶことがあります。実は「たらこ唇」という言葉は医療用語ではなく、明確な定義はありませんが、唇全体の厚みが約2.5cm以上の唇のことをそう呼ぶようです。

 

この厚みのある唇に対しての感じ方は個人差があります。人によってはメイク映えがするので好きという人もいれば、目立ちすぎて嫌なので治療したいという人もいます。ではこのたらこ唇は治療によって変化させることはできるのでしょうか?

 

たらこ唇になっている原因はいくつか考えられますので、パターン毎に見ていきましょう。

 

・不正咬合が原因になっている

 

上顎前突(出っ歯)や下顎前突(しゃくれ)など歯が唇を前に押している場合、唇の見える面積が増えるため、たらこ唇に見えることがあります。このパターンでは、矯正治療によって上顎前突、下顎前突を改善すると唇の見える面積が小さくなる可能性があります。

 

・唇が肉厚

 

そもそも唇自体がもともと肉厚な方もいます。治療するとなると手術等で唇の厚み自体を薄くするという方法になります。

 

 

この様にたらこ唇の原因にも種類があるのがお分かりいただけたのではないでしょうか。また、不正咬合が原因になっている場合、子供の頃からの癖が原因になっている可能性もあります。

 

・指しゃぶり

 

指しゃぶりの癖がなかなか無くならない場合、上下の前歯が前に押し出されるような力が加わり続けます。結果として、前歯部が前突するような不正咬合の原因になる可能性があります。

 

・口呼吸

 

歯並びは本来、舌が歯を押す力と唇が歯を押し返す力でバランスがとれるようになっています。しかし、口呼吸が癖になっている場合、舌が歯を押す力に対して唇が歯を押し返す力が弱くなります。その結果、歯が前方に押し出される力が加わり続けるので、不正咬合になる可能性があります。

 

                                                                                                            

この他にも遺伝によるものなど、不正咬合の原因は様々なので、この癖がないから大丈夫というわけではありませんが、もし癖があるなと思い当たる方は少し意識して改善を試みるものいいのではないでしょうか。

 

たらこ唇は本人の認識の差が大きいですが、コンプレックスだと感じる方は一度検査だけでもしてみるのも有効ではないかと思います。改善の可能性なども確認できますので、いつでもお気軽にご相談ください。

食育と矯正治療

今回は、食育と矯正治療についてお話していきたいと思います。

 

まず初めに、そもそも「食育」とは何かというところから説明していきます。

2005年に制定された食育基本法によると、『食育とは生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるものであり、さまざまな経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる人間を育てるもの』と定義されています。

 

最近では、小さい子供がいる家庭では特に食育を行うことの重要性について注目されています。

成長過程にある子供の頃は、味覚が発達する時期です。そんな時期に、ジャンクフードや高カロリーな食べ物、添加物の多い食品、栄養の偏った食事を摂り続けると、偏った食事に慣れた味覚ができあがってしまうと言われています。そのまま成長してしまうと、栄養バランスの整った食事をおいしくないと感じたり、健全な食生活に味覚が順応できなくなったりしてしまう可能性も出てきます。

 

反対に、しっかりと食育のことを考えて食事をすると大きなメリットもあります。

 

・学力、体力の向上

 

偏りのない食事、きちんとした食生活を送ると、集中力や作業能力、学習能力が高い子に成長するといわれています。それらの力を養うのにとくに効果的な手段は、朝食を摂ることだとされています。人は寝ている間に人間の筋肉や臓器のエネルギーとして使われるブドウ糖を消費します。その消費されたエネルギーが、朝食を摂ることによって補給されることが、子どもの学力や体力アップに繋がっていきます。

 

・免疫力の向上

 

添加物、農薬などの化学物質が含まれた食品を摂取し続けていると、人の体内にはそれらの物質が蓄積されていきます。その結果、アトピーやアレルギーを発症してしまう原因になる可能性があります。

 

・精神的安定性の向上

 

誰かと一緒に食事をし、楽しいという気持ちを持つことはとても大切なことです。食事という場において誰かと心を交わすことによって、情緒の成長や安定性を身に着けることも食育の大きな役割となります。

 

 

この様にとても大切な役割を持つ食育ですが、矯正治療を行うことによってよりその効果を高められる可能性があると思います。

 

・栄養吸収効率の向上

 

しっかり上下の歯が噛み合わさった状態で咀嚼することによって、食物の消化吸収効率が高くなります。上にも書いた様に、朝ご飯をしっかりと消化吸収して、子供の学力・体力向上のための手助けになるのではないでしょうか。

 

・食事を楽しむ

 

自分の歯で食物をしっかりと咀嚼し、味わうということは食事を楽しむということに繋がります。家族で一緒に美味しいご飯を楽しむということは精神的な安定に繋がります。

 

 

この様に、小さいころから食事についてしっかりと考えてあげるということはとても大切なことだと思いますし、私たちも出来る限りのお手伝いはしたいと思います。食育という観点からも、疑問やお悩みのことがある場合はいつでもお問い合わせください。

小児期のレントゲン撮影について

今回は、お子さまのレントゲン撮影について少しお話していきたいと思います。

 

近年、食生活の変化などもあり、顎が小さい患者さんが増えてきていて、乳歯が抜けた後なかなか永久歯が生えず心配になって受診するという方も増えて来たように感じます。

もちろん成長には個人差がありますので、お子さまのお友達などと比較して焦らなくてもいいとは思いますが、大きく成長の時期から外れている場合は一度検査をしてもらった方がいいかもしれません。

 

おおよその歯の生え変わる時期ですが、まず6歳頃に下の前歯、第一大臼歯が生え変わってきます。その後、7~9歳頃には上下の前歯、10歳~12歳頃に第一小臼歯、犬歯、第二小臼歯の順番に生えます。

そして12~14歳頃に第二大臼歯が生えて永久歯の歯並びは完了します。

親知らずがある場合は17歳以降に生えてくることが多いです。

あくまで目安ですが、この時期から大きくずれている場合は何らかの原因が考えられるかと思います。

 

原因解明にはレントゲンで検査をすることになりますが、生え変わりの時期にレントゲン撮影を行うと、乳歯の歯根がなくなってきているか、永久歯はどの程度まで生えてきているか等、生え変わりの進行具合が確認できます。

また、そもそも先天的に永久歯がない、歯茎の中の永久歯が本来生える方向とは違う向きに生えてきている等のトラブルも確認できます。

早めに原因がわかると、原因に対する対策が立てやすくなるので、治療の選択肢が増えるということにも繋がります。

 

中にはレントゲンと聞くと放射線被ばくを気にされる方もいらっしゃるかと思います。

 

実は放射線は、日常的に全員が日光や口にする食物から年間1.5〜2.4mSv(ミリシーベルト)は浴びていると言われています。

それに対して歯科で使用するレントゲンは、機種や撮影範囲にもよりますが、おおよそ0.01mSv~0.03mSvと言われています。

このことから、被ばく量としてはごくわずかですが、得られる情報はかなり大きなものになるということがお分かりいただけかと思います。

ただもちろん、それでも心配だという患者さんに撮影を無理強いすることはありませんので、ご安心ください。

 

虫歯など、目視である程度把握できるものから、歯茎の中まで確認しないとわからない問題もたくさんあります。

いずれにしても、何か気になることがある場合は、検査方法などしっかりと説明し、納得していただいた上で行うようにしていますので、安心してご相談ください。

歯石ってなに?

今回は、歯石についてお話していきたいと思います。

 

皆さんも、歯石という言葉は聞いたことがあるかと思いますが、歯石はどんなものか説明出来る人はそこまで多くないかもしれません。

歯石とは、歯垢が石のように固まってしまい、歯の表面にザラザラとこびりついている汚れのことを指します。歯垢が歯石に変化するのは、唾液のなかの成分であるカルシウムとリンが、歯垢に付着して石灰化することで発生します。

 

また、歯石は「歯肉縁上歯石」と「歯肉縁下歯石」の2種類に分類されます。歯肉縁上歯石とは歯茎のうえに付着している歯石のことで、色は黄色みがかった白色をしています。

歯肉縁下歯石とは、歯茎の奥深くにこびりついている歯石のことで、歯周病の進行と深くかかわっていると言われています。

色は黒ずんだ褐色で、歯に強くこびりついていて除去しづらいのが特徴です。

 

 

ではこの歯石によるトラブルはどの様なものがあるのでしょうか。

 

 

・虫歯や歯周病リスクが高くなる

 

歯石の表面はザラザラとしており、たくさんの凹凸があります。

この凹凸に歯垢が引っかかり、虫歯や歯周病菌が繁殖してしまう可能性があります。

 

・歯茎の炎症リスクが高くなる

 

先程説明した歯肉縁下歯石が多く付着していると、食事などで歯が動くと、歯石と歯茎の間に摩擦が起こり、少しずつ歯茎が傷ついてしまいます。

 

・口臭発生のリスクが高くなる

 

歯肉縁下歯石ができると、嫌気性菌と言う菌が増えていきます。

嫌気性菌が揮発性硫黄化合物や揮発性窒素化合物を発生させるため、それが口臭の原因になります。

 

 

この歯石ができてしまう要因のひとつに、口の中に歯垢がたまりやすい環境が挙げられます。

叢生(凸凹、乱ぐい歯)などで歯と歯が重なってしまい、磨き残しがあるとその汚れが固まり、歯石となってしまいます。

矯正治療などでブラッシングをしやすい環境を整えることが、歯石の予防や虫歯・歯周病リスクの軽減にも繋がってくるのです。

 

また、歯石は多かれ少なかれ皆さんついてきますので、歯科医院での定期的なクリーニングもとても大切なことです。

予防歯科が注目されてきていますが、今まで気にしていなかったという方は少しそういったところにも目を向けてみることをお勧めします。

 

当院でも治療に関するご相談から気になっていることへのアドバイスなど、様々な手助けができると思っていますので、何か気になることがある場合は、いつでもご相談いただけたらと思います。

矯正治療での外科処置とは

今回は、少し難しいお話になりますが、不正咬合の状態によって必要になる外科治療についてご紹介したいと思います。

 

 

矯正治療は矯正装置(ブラケット、ワイヤーなど)を装着して歯に適度な力を加えて動かしていきます。

患者さんよって顎の骨の形状や大きさは異なるため、歯を動かせる限界は一人一人異なっています。

そのため、診査・診断をした結果、矯正治療のみでは改善が難しく、外科治療が必要になるケースもでてきます。

 

外科処置の手法としてはいくつかありますが、大きく分けて上顎を処置するか下顎を処置するかに分けられます。

その中でも、下顎前突の患者さんで下顎を処置するケースが比較的多いので、今回はそちらの手法を説明していきます。

 

 

・下顎枝矢状分割術(かがくししじょうぶんかつじゅつ)

 

下顎を全体的に後方に移動させる術法で、下顎臼歯の前方外側と後方内側から縦に骨を割り、下顎前方の骨を後方に移動させるという方法です。

移動させた後はチタン製のプレートで骨を固定し、安定を促します。

 

・下顎枝垂直骨切り術(かがくしすいちょくこつきりじゅつ)

 

こちらも下顎を全体的に後方に移動させる術法で、下顎枝という下顎後方にある骨を縦に切って、前方の骨を後方にスライドさせる方法です。

上に書いた下顎枝矢状分割術より下顎の移動量が少ないときなどに用いられます。また、顎関節症の患者さんに行う方法としても多く用いられています。

 

・下顎骨体切除術(かがくたいせつじょじゅつ)

 

こちらは小臼歯(一番前の歯から数えて4番目もしくは5番目の歯)を抜歯し、その抜歯した歯のスペース分の下顎の骨を切り取るという方法です。

奥歯の噛み合わせがいい方で、下顎の前突感が少ない方に用いられることが多い手法です。

 

・下顎前方歯槽骨切り術(かがくぜんぽうしそうこつきりじゅつ)

 

こちらも上に書いた下顎骨体切除術と同様に小臼歯を抜歯するところまでは同じですが、その後は縦に骨を切り取るのではなく、水平方向に切れ目を入れ、抜歯した歯より前方の歯がある部分をブロックで切り取ります。

その後、切り取ったブロックを後方にずらして固定するという方法です。

移動量が限られますが、開咬の患者さんや歯周病など長期で矯正治療を行うことが難しい方などにも使われます。

 

 

外科治療においては、不正咬合の重症度によって行う外科治療の方法が変わります。

 

この外科矯正治療は、基本的に健康保険の対象となります。

当院では、健康保険の取り扱いがないため外科矯正治療が保険診療で対応している信頼できるクリニックをご紹介させて頂いております。

ご自身がどのケースか分からない場合など気になることがあればいつでもご相談ください。