ひらの矯正歯科「小児矯正ブログ」

目立たない装置で矯正できます。横浜(神奈川県)の子供矯正(こどもの矯正、小児矯正)は当歯科医院へ。

BMI値から考える食べ物の摂取と吸収について

今回は、食べ物を食べる量とその吸収というテーマでお話していきたいと思います。

 

皆さんは普段、ご自身に必要なエネルギー摂取量というものを気にして生活されていますでしょうか?ダイエット中の方など、摂取カロリーを控えようと意識する方は多いかもしれませんが、適正なエネルギー摂取量を維持しようとする方はあまり多くないのではないかと思います。

体格や代謝量など個人差があるため、きちんとあなたはこれだけのエネルギーが必要ですと算出することは難しいのですが、一つの指標として体型チェックに用いられるBMI(Body Mass Index)を参考にするといいかと思います。

 

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

 

この計算式に当てはめてもらい、BMI値が18.5から24.9までの間に収まっていれば適正値となるため、体重を測った時などに計算してみるのもいいのではないでしょうか。

 

例えば、体重50kg、身長160㎝の人の場合、

 

50kg÷160㎝÷160㎝

 

でBMI値は19.5となります。

 

では次に、食べ物の吸収についてみていきましょう。

 

最近では柔らかい食べ物が多くなったり、忙しいという理由からついつい早食いになってしまうという方も多いのではないでしょうか。

いろいろな調査結果から、食べるのが速い人ほどBMI値が高くなる傾向にあるという結果も出てきており、よく噛んでゆっくり食べることの重要性が提唱されるようになってきました。

 

さらに早食いの弊害として、満腹中枢が刺激される前にどんどん食べ物を摂取してしまうため、必要以上に食べ物を食べていることが多いです。

カロリーの過剰摂取量はもちろんのこと、塩分など摂りすぎると高血圧などの循環器疾患を引き起こすリスクも高くなってしまいます。

 

また、食べ物の摂取量と同時に、虫歯の予防や歯並びの改善についての有用性が改めて認識されてきています。

しっかりと上下の噛み合わせが揃った歯で食べ物を嚙み砕くということは、食べ物の消化・吸収にとってとても大きな役割を果たしています。

少しの食べ物でもしっかりと消化・吸収を行うことでエネルギー摂取の効率が高くなるので、結果として健康な身体の維持に繋がっていきます。

 

日本歯科医師会でも、8020運動という80歳になったときに自分の歯を20本以上残そうという啓蒙活動をずっと行っており、皆さん一人一人の健康寿命を長く保つことを大元の意義としております。

 

日本人はまだまだ歯医者=歯が悪くなった時に行くものという認識が強く残っているのではないかと思いますので、一度歯のメンテナンスの重要性ということに目を向けていろいろ調べてみるのもいいのではないでしょうか。

私たちも矯正治療を専門として行っている立場から様々なアドバイスを行うこともできるので、気になることがあるときはいつでもお気軽に相談に来ていただけたらと思います。

朝食を摂る意味と歯並びの関係

今回は、朝食を食べるということの意味と歯並びの関係性についてお話していきたいと思います。

 

 

「朝食を食べたほうがいいと思いますか?」といった質問をすれば、おそらく多くの方が「YES」と回答するのではないかと思います。

ただ、何故食べたほうがいいのかということを細かく説明できる人はそこまで多くないかもしれません。

 

文部科学省が調査したデータで、小学校6年生の朝食を食べる子とその学力についてまとめたものがあったのでご紹介します。

 

 

「朝食を食べる頻度と問題正答率の平均(算数)」

 

・毎日食べる:正答率約68%

・どちらかと言えば食べる:正答率約60%

・あまり食べない:正答率約54%

・まったく食べない:正答率約51%

 

 

この様に、朝食を食べる頻度が少なくなるとそれに比例して学力が低下しやすいという結果が出ていました。

これは、ごはんなどの主食を食べると、脳のエネルギー源になるブドウ糖を摂取できるので、朝から勉強や仕事に集中できます。

 

では次に、ごはんが消化・吸収される過程について説明していきます。

まず「デンプン(炭水化物)」が口の中に入ると、唾液に含まれる「アミラーゼ」と呼ばれる酵素と反応し、「デキストリン」と呼ばれる、ドロドロの状態になります。

その後、胃でさらに細かく分解され、十二指腸で再び「アミラーゼ」と反応し、「麦芽糖」になります。そして、最後に小腸で「マルターゼ」と呼ばれる酵素によって、「グルコース(ブドウ糖)」まで分解されます。

「グルコース」は小腸から血管に入り、肝臓に運ばれ、肝臓から全身の臓器や細胞に運ばれ、エネルギーとして使われるという仕組みになっています。

 

つまり、この過程でいう一番初めの唾液中に含まれる「アミラーゼ」でしっかりとデンプンを分解してあげることが、その後の消化・吸収にとってとても大切なことになります。

子供の頃に親からよく噛んで食べなさいと言われたのもこれが大きな理由で、一口につき30回噛んで食べるというのが推奨されています。

ただこの時に、歯並びが悪くてうまく奥歯で食べ物をすり潰せていない状態だとせっかくしっかりと噛んで食べているつもりでもこの効果は減退してしまいます。

また、噛み合わせが悪い状態で食事を続けていると、顎の関節に負担がかかって痛みが出てしまうこともありますので、注意が必要です。

 

 

今回は、お子さんについての書き方になりましたが、もちろん朝食を摂る意味と、しっかりと噛んで食事をする有用性は大人でも当てはまることです。

三つ子の魂百までと言いますが、小さいころからの習慣はとても大切なので、

ご家族皆さんで一度朝食を摂る意味とごはんを噛む大切さについて話し合ってみる機会を作るのはいかがでしょうか

共食について

今回は「共食」というテーマで掘り下げていきたいと思います。

 

近年では核家族化が進み、おじいちゃん・おばあちゃんと一緒に食事をとる機会が少なくなっています。それと同時に両親が共働きという家庭も増え、家族の中でも食事の時間が合わなくなってきているケースも少なくありません。

 

一人で食事をとることを「孤食」と言い、みんなで一緒に食卓を囲んで共に食べる「共食」の対義語となっています。また、少し字は違うのですが、家族がそれぞれ買ってきたものや出来合いの物など違うものを食べることを「個食」と言います。

 

ではこの「共食」が、どの様に食育に役立っているのかを見ていきましょう。

 

お子さんのいる家庭では食事のマナーや栄養バランスを考えた食事の大切さ、その土地ならではの食文化を大切にする気持ちなどを伝えることが出来る機会となります。そのため、家族での「共食」ももちろん良いことなのですが、おじいちゃん・おばあちゃんや親戚の方など、いつもと違う人を含めて食卓を囲むのも非常にいい機会になります。

 

実はこの「共食」は矯正治療にも関わりがあります。

 

食事中の癖というのは、普段あまり気にしていないかもしれませんが、あまり噛まずに飲み込んでしまう人や、片方の歯ばかりで噛んでいる人など、人それぞれいろいろな癖があります。このような癖は不正咬合の原因になることも多く、「共食」でそういった癖を教えてあげて、改善することで不正咬合を未然に防ぐことにもつながります。

 

また、矯正治療中は矯正装置が付いているので今までとは異なる食べ方になっている方も少なくないかと思います。片方だけで噛む癖がでてしまうと、矯正装置の破損の原因になるなど、治療期間に影響が出てしまうこともあるので注意が必要です。

 

 

毎日一緒に食べるというのはそれぞれの生活スタイルもあるので難しいかもしれませんが、週に何回かだけでも一緒に食事をとるということを決めて実践してみるのもいいのではないでしょうか。その時に少しだけでも最近の矯正治療の様子なども聞いてみてくださいね。徐々に綺麗になっていく歯並びを一緒に確認することで、矯正治療のモチベーションにもつながりますし、何より楽しい時間になればと思います。

たらこ唇は治せるの?

 

今回は、患者さんからお問い合わせいただくことがある、たらこ唇についてお話していきたいと思います。

 

ふっくらとした厚みのある唇のことを「たらこ唇」と呼ぶことがあります。実は「たらこ唇」という言葉は医療用語ではなく、明確な定義はありませんが、唇全体の厚みが約2.5cm以上の唇のことをそう呼ぶようです。

 

この厚みのある唇に対しての感じ方は個人差があります。人によってはメイク映えがするので好きという人もいれば、目立ちすぎて嫌なので治療したいという人もいます。ではこのたらこ唇は治療によって変化させることはできるのでしょうか?

 

たらこ唇になっている原因はいくつか考えられますので、パターン毎に見ていきましょう。

 

・不正咬合が原因になっている

 

上顎前突(出っ歯)や下顎前突(しゃくれ)など歯が唇を前に押している場合、唇の見える面積が増えるため、たらこ唇に見えることがあります。このパターンでは、矯正治療によって上顎前突、下顎前突を改善すると唇の見える面積が小さくなる可能性があります。

 

・唇が肉厚

 

そもそも唇自体がもともと肉厚な方もいます。治療するとなると手術等で唇の厚み自体を薄くするという方法になります。

 

 

この様にたらこ唇の原因にも種類があるのがお分かりいただけたのではないでしょうか。また、不正咬合が原因になっている場合、子供の頃からの癖が原因になっている可能性もあります。

 

・指しゃぶり

 

指しゃぶりの癖がなかなか無くならない場合、上下の前歯が前に押し出されるような力が加わり続けます。結果として、前歯部が前突するような不正咬合の原因になる可能性があります。

 

・口呼吸

 

歯並びは本来、舌が歯を押す力と唇が歯を押し返す力でバランスがとれるようになっています。しかし、口呼吸が癖になっている場合、舌が歯を押す力に対して唇が歯を押し返す力が弱くなります。その結果、歯が前方に押し出される力が加わり続けるので、不正咬合になる可能性があります。

 

                                                                                                            

この他にも遺伝によるものなど、不正咬合の原因は様々なので、この癖がないから大丈夫というわけではありませんが、もし癖があるなと思い当たる方は少し意識して改善を試みるものいいのではないでしょうか。

 

たらこ唇は本人の認識の差が大きいですが、コンプレックスだと感じる方は一度検査だけでもしてみるのも有効ではないかと思います。改善の可能性なども確認できますので、いつでもお気軽にご相談ください。

食育と矯正治療

今回は、食育と矯正治療についてお話していきたいと思います。

 

まず初めに、そもそも「食育」とは何かというところから説明していきます。

2005年に制定された食育基本法によると、『食育とは生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるものであり、さまざまな経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる人間を育てるもの』と定義されています。

 

最近では、小さい子供がいる家庭では特に食育を行うことの重要性について注目されています。

成長過程にある子供の頃は、味覚が発達する時期です。そんな時期に、ジャンクフードや高カロリーな食べ物、添加物の多い食品、栄養の偏った食事を摂り続けると、偏った食事に慣れた味覚ができあがってしまうと言われています。そのまま成長してしまうと、栄養バランスの整った食事をおいしくないと感じたり、健全な食生活に味覚が順応できなくなったりしてしまう可能性も出てきます。

 

反対に、しっかりと食育のことを考えて食事をすると大きなメリットもあります。

 

・学力、体力の向上

 

偏りのない食事、きちんとした食生活を送ると、集中力や作業能力、学習能力が高い子に成長するといわれています。それらの力を養うのにとくに効果的な手段は、朝食を摂ることだとされています。人は寝ている間に人間の筋肉や臓器のエネルギーとして使われるブドウ糖を消費します。その消費されたエネルギーが、朝食を摂ることによって補給されることが、子どもの学力や体力アップに繋がっていきます。

 

・免疫力の向上

 

添加物、農薬などの化学物質が含まれた食品を摂取し続けていると、人の体内にはそれらの物質が蓄積されていきます。その結果、アトピーやアレルギーを発症してしまう原因になる可能性があります。

 

・精神的安定性の向上

 

誰かと一緒に食事をし、楽しいという気持ちを持つことはとても大切なことです。食事という場において誰かと心を交わすことによって、情緒の成長や安定性を身に着けることも食育の大きな役割となります。

 

 

この様にとても大切な役割を持つ食育ですが、矯正治療を行うことによってよりその効果を高められる可能性があると思います。

 

・栄養吸収効率の向上

 

しっかり上下の歯が噛み合わさった状態で咀嚼することによって、食物の消化吸収効率が高くなります。上にも書いた様に、朝ご飯をしっかりと消化吸収して、子供の学力・体力向上のための手助けになるのではないでしょうか。

 

・食事を楽しむ

 

自分の歯で食物をしっかりと咀嚼し、味わうということは食事を楽しむということに繋がります。家族で一緒に美味しいご飯を楽しむということは精神的な安定に繋がります。

 

 

この様に、小さいころから食事についてしっかりと考えてあげるということはとても大切なことだと思いますし、私たちも出来る限りのお手伝いはしたいと思います。食育という観点からも、疑問やお悩みのことがある場合はいつでもお問い合わせください。