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2017年6月16日

今回は、ある調査会社が行った矯正歯科に関するアンケート調査を
もとに書いていきたいと思います。

今回のテーマは、矯正治療を受けたことのある方を対象に、
治療を受けた歯科医院を知ったキッカケについてです。

矯正治療の期間は保定装置期間を入れると、年単位でかかります。

長くお付き合いする歯科医院を知ったきっかけは様々ですが、
選んだ理由のベースにあるのは、
やはり信頼なのではないかと考えさせられます。

■矯正治療を受ける医院を選んだ際の認知経路は?(矯正治療経験者490人対象)

1位)38.8% (自分32.0%/子供47.3%) 知人や友人の評判
2位)33.3% (自分38.0%/子供30.9%) かかりつけの歯科医院
3位)13.1% (自分20.0%/子供:9.1%) インターネット
4位)13.1% (自分14.0%/子供:10.9%) 自宅や職場の近所
5位)12.1% (自分8.0%/子供14.5%) かかりつけの歯科医の紹介
6位)4.0% (自分4.0%/子供5.5%) 雑誌の広告や記事
7位)3.0% (自分2.0%/子供3.6%) 地域情報、タウン誌など
8位)2.0% (自分2.0%/子供1.8%) 立て看板など屋外広告
9位)1.0% (自分0.0%/子供1.8%) 電話帳

最も多いのが「知人や、友人の評判を聞いた」という回答で、
約40%もいらっしゃいます。

そして、「かかりつけの歯科医院」もしくは「かかりつけの歯科医院からの紹介」を
合わせると約45%となっています。

それに次ぐのがインターネットの13%なので、
人のつながりからの信頼が圧倒的ということがわかります。

1位の知人や友人の評判の内訳を見ると、
本人の治療経験でいう32%と比べて、
自分の子供の矯正治療経験が47%ということなので、
子供の友人に矯正治療経験者がいて、
その話を聞いて矯正治療を考えたというケースも見えてきます。

実際、横浜ひらの矯正歯科でも、お子さんの部活や塾が一緒で紹介を受けたケースや、
クラスメイトからの紹介を受けたという患者さんも沢山いらっしゃいます。

矯正治療を受ける歯科医院を知ったキッカケは今回のアンケートの通りですが、
最終的に「ここにしよう」と決断した理由は、
治療方法や値段、歯科医の矯正治療経験など様々なようです。

キッカケとして、人の紹介は実際の体験をもとに伝わるので
とても大切なことだと思いますが、
インターネットや紹介だけでは意外に治療経験や、
長く安定する綺麗な歯並びを手に出来るかということなど、
見えづらいのが現状だったりもします。
ぜひ歯並びの相談に歯科医院へ行く際は、
治療方針や、先生のコンセプト、大切にしていることなども含めて、
より深いところで選んでいっていただければと思います。

初めに書きましたが、長いお付き合いになるのが歯列矯正治療です。
抜歯治療にするのか、非抜歯治療にするのかなど、
治療方針に関してもしっかりとした説明がある医院で、
安心して矯正治療を受けられることを願っています。

2017年4月 5日

今回は子供の歯ぎしりに関して書いていこうと思います。

お子さんがの歯ぎしりが激しいと、
結構心配になってしまうものです。

すぐに何かしらの治療をしなくてはいけないのでは?
と相談に来られる方もいらっしゃいます。

今回は歯ぎしりの原因と影響、歯列矯正に関して見ていってみましょう。


■歯ぎしりの原因

歯ぎしりの原因はいくつかあります。

その一つが噛み合わせと歯並びです。

噛み合せと歯並びに問題がある原因は、
遺伝や舌癖、顎の骨の成長などの後天的なものがある為、
挙げるとキリがなくなりますが、なんらかの原因で噛み合わせ、
歯並びに問題が生じると
それを正そうとして歯ぎしりをすると考えられています。
特に生え替わりの時期になると歯ぎしりが出たり、
もともと歯ぎしりの癖があった子供が更に激しくなるということがあります。

また大人もそうですがストレスからくる場合もあります。

生活環境の中に悩みや不安があると眠りが浅くなったりします。
ストレスからくる歯ぎしりは比較的昼間ではなく夜間、
寝ている間のみ起こることが多いのが特徴です。

■歯ぎしりによる影響

噛み合わせや歯並びからくる歯ぎしりの場合は上に書いた通り、
基本的に正しい噛み合わせ位置に向かうために自然に起きていることなので、
あまり深刻に捉える必要はありません。

ただし、あまりにひどい場合はある程度の悪影響が生じるので確認が必要です。
まず6歳、7歳くらいになってもひどい歯ぎしりが続く場合です。

永久歯への生え替わりが起きていても歯ぎしりが続く場合は、
歯ぎしりの原因が他にある可能性が出てきますので
歯科医のチェックを受けた方が良いでしょう。

また四六時中歯ぎしりをしている場合は、顎関節や歯根に悪影響を与え、
ひどい場合は顎関節症になったり、
歯根が細くなり歯がぐらついてしまうことがあるので注意が必要です。


■対策

ひどい歯ぎしりが出ないようにする対策としては、
日々良く噛む習慣をつけることが第一に考えられます。

よく噛むことは顎の骨の成長、筋肉の成長へとつながります。
また正しい姿勢を保つこともとても良い対策といえるでしょう。
また歯ぎしりの原因がストレスだった場合は、
友人関係、学校での様子などに意識を向けて
サポートしてあげられる環境を作ってあげることが大切です。

それでも続く場合は上に書いたように
悪影響が生じてくる可能性がありますので、
歯科医で診てもらうようにしましょう。
歯科医ではマウスピースでの対応、
矯正治療などで治していくことが出来ます。

ただ、マウスピースでの治療で注意したいのは、
現状の歯並びです。上顎前突(出っ歯)や
下顎前突(受け口、反対咬合、しゃくれ)、
オープンバイト(開口)といった歯が外方向に倒れている
不正咬合の場合、マウスピースをつけて、
更に強く噛みこむことで、その分不正咬合が悪化することがあります。
そのため、噛み合せと歯並びの状態をしっかりと検査し、
治療方針を決めていく必要があります。

特に永久歯になってからの歯ぎしりは
矯正治療が必要な不正咬合になっている可能性が高いので、
できれば矯正専門医での検査、診断を受けられるのが良いでしょう。


子供の歯ぎしりは必ずしも急いで治療しなくてはならないわけではありませんが、
ある程度の対策を家庭でうつこともできます。
またそれでもひどい歯ぎしりが治まらない場合は、
しっかりと検査したうえでの治療が大切です。

2017年3月10日

お子さんの歯並び治療をいつスタートしたらよいか
という問い合せを良く受けます。
これについては患者さん個々に不正咬合の状態も違うため、
一概にお答えすることはできないのですが、
乳歯の役割を考えた際に、少し見えてくるものもあります。

ということで今日は乳歯の役割に関して少し注目してみたいと思います。


① 咀嚼

まず乳歯の1番目の役割は咀嚼です。当たり前のことですが、
食べ物を噛むということは生きるための基本になり、
消化吸収の一番始めの部分を担っています。
そのため、この時期に齲蝕(虫歯)になってしまうと、
消化吸収にも影響が出るため、栄養吸収の問題、
そして全身の成長へとつながってきてしまいます。

また噛むという動きは脳へ刺激を与えることになり、
脳の発達へも影響します。
そのため、しっかりと噛む習慣をつけることは、
その後の成長にもとても重要な要素となります。

② 発音

2つ目の役割は発音です。
もし舌が歯に全くつかないように発音してくださいと言われると、
その役割を実感できるのではないでしょうか。
だいぶ発音できない音があるのがわかります。

③ 永久歯へ

そして歯並びに最も関係するのが、
永久歯を正しい位置に導く役割です。
永久歯に生え替わるころには乳歯の歯根が吸収され、
永久歯を誘導していきます。
もし乳歯を虫歯などで抜歯していると、
永久歯の生えてくる位置に大きく影響を与えてしまいます。


どのタイミングで矯正治療をするかという疑問に戻りますが、
上顎前突(出っ歯)や下顎前突(反対咬合、受け口)
などの骨格に問題がある不正咬合の場合は
比較的早い段階での治療が必要になるケースが多く、
単に隙っ歯ということであれば様子を見ることもあります。

いつのタイミングで治療するのが
その患者さんにとってベストかを判断するには、
どこに問題があり、どのような不正咬合なのかということだけでなく、
見えていない埋伏歯や欠損歯、舌の筋肉、顎の骨などに関しても検査し、
それぞれが永久歯列にどのように影響するかを見極める必要があります。
しっかりと検査し、診断し、個々の患者さんに合ったタイミングで治療していくことが何より大切ではないかと思います。

2017年2月13日

乳歯列期は永久歯列に影響を与えることから、たくさんの相談を受けます。
乳歯列に問題があると永久歯に影響があるのはもちろんですが、
慌てなくても良い場合も多々あります。

今回は乳歯列期においてどういった観点で
チェックすればよいかをお伝えしていければと思います。


■乳歯の隙間に関して

生後半年くらいを過ぎると、乳歯が生え始めてきます。

大体始めに生えてくるのは下顎中切歯(一番前の歯)で、
始めこの位置で大丈夫?
と心配されることもありますが、
他の歯がはえてくると揃ってきます。

2歳~3歳前後になると乳歯が生えそろい、
大体隙間がなく揃ってきます。
乳歯列期に隙間がないと永久歯になると
並ぶスペースが足りないため、
叢生(デコボコ、乱ぐい歯、八重歯)になりやすいのですが、
この時期はまだ揃っていても大丈夫です。

5歳を過ぎ、6歳くらいになり、
永久歯に生え変わるころになると少し歯と歯の間に隙間が出てきます。

この隙間は必要な隙間で、顎の成長によるもので、
永久歯の生える準備が進んでいることを意味しています。
この時期に全く隙間が出来てこないと、
永久歯に生え変わった際に叢生になる可能性があります。


■生え替わり

永久歯で一番初めに生えてくるのは第一大臼歯(奥から2番目の歯)で、
だいたい生え変わり年齢が6歳前後のため、
6歳臼歯とも呼ばれています。
この第一大臼歯の噛み合せが
他の歯の生えてくる基準になる為、
第一大臼歯が生えてくるころは注意したい時期です。

永久歯に生え替わる次期(混合歯列期)は、
永久歯にすべて生え変わる為の時期で、
前歯に隙間があったり少し歯並びが心配になってしまったりします。
12~13歳ころに第二大臼歯まで生え変わり、永久歯列期になります。


■乳歯列期から永久歯列期へ チェックポイント

ではどういった観点でこの生え変わり時期を見ていくと良いのでしょうか。

①第一大臼歯(6歳臼歯)がしっかりと生えてきているか。
乳歯列期の最後の方で生えてくるため気づきづらいため、注意が必要です。上下の第一大臼歯の噛み合せが歯並びの基準になります。

②5,6歳ころに隙間があるか。
永久歯に生え替わる前の5,6歳ころに永久歯に生え替わる為のスペースがあるか確認します。

③上顎前歯の間に少しの隙間があるか。
あまり広すぎる隙間があるのも問題になります。大体5㎜以下が目安です。

④側切歯の生える位置。
顎の成長がしっかりと進んでいない場合、後から生えた永久歯が先に生えている歯の裏側に生え始めることがあります。

⑤上下の前歯の前後関係。
特に下顎前歯が上顎前歯より外側に生えてきていると、反対咬合(受け口、しゃくれ、下顎前突)になります。そのまま成長が続くと、不正咬合の度合いが悪化することもあります。

⑥水平方向の確認。
特に奥歯の生え方が水平方向(横)にずれていないかの確認が必要です。交叉咬合(クロスバイト)になっていないかを確認します。


顎の成長、歯の生え替わり時期などは人それぞれ違います。
そのため、誰でも当てはまることはなかなか言い切れません。
大切なことは口腔内の衛生管理(しっかりとした歯磨き)と、
歯に注意を向けることだと思います。
そして慌てずに対処することです。
不正咬合が悪化する前に矯正治療することは大切ですが、
それもしっかりと検査、診断したうえで決めていくことが何より大切になります。
顎の成長過程を確認するためにも、
一度矯正専門医に検査してもらうこともできるので、気になる場合は相談してみていただければと思います。

2017年1月18日

小児矯正のアプローチや使用する矯正装置は
その患者さんの成長度合いによって変わってきます。

床矯正と呼ばれる取り外し式のものを使用することもありますし、
フェイスマスクやチンキャップなど口腔外で使用するものもあります。
顎の骨の成長を促し、上顎前突(出っ歯)や
下顎前突(反対咬合、受け口)など重度の不正咬合を
早い段階で治療していくことが出来るのが小児矯正のメリットの一つです。

もちろん成人の矯正と同じようにブラケットを装着しての治療の場合もあります。
今回はブラケット治療での注意点を少しまとめてみたいと思います。


① 齲蝕(虫歯)

歯にブラケットとワイヤーが装着される矯正治療は、
当然ブラッシングのハードルが上がります。
専用の歯ブラシを矯正専門医院では準備されているところがほとんどだと思いますが、
それでも丁寧なブラッシングがとても大切です。
これは以前書いたことがありますが、
万が一虫歯になると一旦矯正装置を外し、
虫歯治療をしたうえで矯正治療を再開するということになってしまいます。
治療期間が長くなるだけでなく、
余計な費用も掛かってしまうため、注意が必要です。

② 口内炎

最近のブラケットは角が取れて丸みを帯びているものがほとんどです。
基本的に昔と比べて装置が引っかかって口内炎になる可能性は下がってきています。
ただ、ブラケットとワイヤーを止めている結紮線という
細い針金が何かの拍子に飛び出してしまったり、
メインのワイヤーの端が頬の内側に当たってしまい口内炎になってしまうことが
稀にあります。丁寧な歯磨きと同時にそういったワイヤーなどが
飛び出していないかをチェックし、
もし飛び出していることがあれば早めに矯正専門医に連絡し、
調整してもらうようにしましょう。

③ ブラケットの脱離

とても硬いものを噛んだり、スポーツ中の衝撃などでブラケットが
歯から外れてしまうことがあります。矯正装置は、銀歯や差し歯と違い
最終的に外す前提のものですので接着をMAXにすることが出来ません。
もし銀歯や差し歯と同じ様に接着してしまったら、矯正治療後に矯正装置を
外せなくなってしまうからです。
口内炎と同様、万が一外れた場合はできるだけ早く医院に連絡し、
矯正歯科専門医に対応してもうらようにしましょう。

④ 触る

歯が動き始めると人によって痛みを感じる場合があります。
痛みまでではなくても違和感が生じることから、
ブラケットを意味もなく触ってしまう(いじってしまう)ことがよくあります。
これは脱離につながる可能性があがることと、
雑菌が口腔内に入り、衛生的にも良くありません。
ブラケットを触る癖がつかないよう、
親御さんの方でチェックするようにしてください。


基本的に衛生的にすること、
そして万が一矯正装置に問題が起きたら
できるだけ早く通っている矯正専門医に連絡して対処してもらうことが大切です。
小児矯正の場合は上記の注意点を親御さんも
一緒にケアしながら矯正治療期間を過ごしていっていただければと思います。

2016年12月 2日

小児矯正については様々な情報を目にすることが多くなってきました。
これまで横浜ひらの矯正歯科からも
小児矯正に関しての情報をお伝えしてきました。

小児矯正のメリットは顎の骨の成長を促しながら治療出来ることから、
非抜歯での治療(永久歯を抜かない)の可能性が高まるといわれています。

ただ、患者さんのそれまでの成長度合いや遺伝的要素なども関係してくるため、
一概に小児矯正は非抜歯とは言い切れないのが事実です。

矯正治療を開始する時期に関しても様々な考え方があり、
やはり患者さんの不正咬合の状態を確認した上で
決定するのが良いと思います。

今日は歯並びや噛み合せを悪くしてしまう
様々な「癖」をまとめてみたいと思います。

歯並びだけでなく、噛み合せの悪化につながるこれらの癖は、
矯正治療を受ける、受けない以前に、改善しておく必要があります。


①舌癖

舌癖に関してはこれまでも書いてきたことがありますが、
歯並びへの大きな影響を与える要因の一つです。
舌の位置が上顎前歯の根元部分に軽く当たっている状態が正常な状態です。

②頬杖

頬杖をする癖があると、頭の重さが顎にかかることになり、
顎関節に悪影響を与える可能性があります。

③爪を噛む、指しゃぶり

爪を噛む癖があると、必要以上に歯と歯茎に力が加わり続けることになります。
また指しゃぶりも続いた場合、
歯が前に出て上顎前突(出っ歯)や下顎前突(反対咬合、受け口)
になってしまったり、開口(オープンバイト)につながるリスクがあります。

④唇を噛む

実際唇を噛むとわかりますが、下顎が少し前に出たり、
やはり様々な弊害につながる可能性があります。

⑤食事、丸飲み

これはよく耳にすると思いますが、
軟らかいものばかり食べているのも問題です。
噛む回数が少ないと歯槽骨、咀嚼筋(そしゃくきん)が弱ってしまいます。
噛む機能と脳の発達の関係も最近注目されてきていますが、
よく噛むということは健康と成長に大きな影響を与えます。

⑥口呼吸

口呼吸の原因は様々で、鼻炎などから来ているものもあります。
口呼吸が続くと口腔内が乾燥することで、
齲蝕(虫歯)リスクが高まるということもありますが、
舌癖にもつながります。

⑦歯ぎしり

歯ぎしりの原因も様々です。
ストレスも大きな原因の一つとして考えられていますが、
歯ぎしりがひどくなると、顎関節に悪影響を与え、
また上下顎の水平方向のズレにつながります。
更に歯がすり減ってしまうということもあります。


始めに書いたように小児矯正の場合であっても
成人の矯正の場合であっても個人によってしっかりとした
検査、診断をして治療計画を考えていくことが大切です。

ただ今回まとめてみたように、
様々な癖を改善することが出来れば、
不正咬合を防げることもあります。

すでに歯並びが悪い場合だとそれが悪化することを防ぐことにもつながります。
日々のお子様に上記のような癖がないかぜひ確認していただければと思います。

2016年11月 2日

今回は様々ある不正咬合のうち、交叉咬合についてご紹介したいと思います。
交叉咬合は「すれ違い咬合」とも呼ばれ、
我々矯正歯科専門医はクロスバイトと呼んでいます。

交叉咬合は上下の噛み合せが横方向にずれている状態で、
歯の生え方の問題、あるいは顎の位置に問題があるものとあります。
本来正常な噛み合せをしている場合、
上下の正中線(一番前の歯二本の間)が揃い、
上顎の歯は下顎の歯の少し外側(頬側)に被さっています。
顎が横にずれていることから生じる交叉咬合は、正中線がずれ、
上顎の歯牙が下顎の内側に入ってしまいます。

この交叉咬合の問題もいくつかありますが、
まず挙げられるのが咀嚼機能の低下です。
顎がずれているため、特に奥歯での咀嚼機能に問題が生じやすく、
また放っておくと更に悪化する可能性も高いといえます。

原因は様々あり、遺伝的なものから外的要因とあります。

外的要因で言うと、常に同じ方向で頬杖を突くことから影響を受けたり、
舌癖や口呼吸が原因となっていることもあります。
また軟らかいものばかり食べることによる骨の成長バランスが
原因となっていることもあります。
骨のバランスがおかしくなり、交叉咬合になってくると、
食べ物を噛む度に強く噛みこむ部分と、
ほぼ噛めない部分が分かれて不正咬合は更に悪化します。
また食べ物をすり潰す機能が左右どちらかに偏ってしまい、
顎関節症などにつながってしまうケースもあります。


乳歯列期において正中線が揃っているかを確認することで、
交叉咬合の可能性を診ることもできます。
正中線が揃っていない場合、
左右の奥歯が交叉咬合になっていないかを確認しましょう。
もし下顎が外側に出ている歯がある場合は
早めの改善を検討したほうが良いでしょう。


上顎前突(出っ歯)、下顎前突(反対咬合、受け口、しゃくれ)など
これまで様々な不正咬合をご紹介してきましたが、
交叉咬合は悪化すると顔の歪みまで生じてしまいます。
咀嚼機能、見た目両面から弊害が大きくなる交叉咬合は
骨の成長をコントロールしながらの早い段階での治療が大切です。 

2016年8月 9日

近年、成人の方の矯正治療患者が増えてきているということを少し前に書きました。
その背景としてはビジネス的な理由から発音などの問題の改善、
第一印象の重要さが考えられ、更に矯正治療中においても
表から見えない裏側矯正(リンガル、舌側矯正)が発展してきているというものでした。

では成人になって矯正治療を始めた方に、
いつごろから矯正治療を意識し始めたのかを聞いてみると
意外と子供のころから歯並びが気になっていたという回答が多いのに驚かされます。

以前も少し紹介したことがありますが、
今回は成人の患者さんがなぜ子供のころに矯正治療を開始しなかったのか
という点を少し細かく見ていってみようと思います。
まずは調査会社が行った矯正治療意向調査をご紹介します。


■子供のころに歯列矯正をしなかった理由は?

1位:43.7% 矯正治療したいと思わなかった
2位:32.3% 治療したいと思ったが親に相談しなかった
3位:24.1% 親に相談したが治療に至らなかった


■治療したいと思わなかった理由は?

1位:61.8% 矯正装置の見た目
2位:51.3% 治療費が高い
3位:34.2% 矯正治療中の痛み
4位:11.8% 食事や歯磨きの負担
5位:10.5% 部活や受験への影響を考えて
6位:14.5% その他


まず、約10人中4人が矯正したいと思わなかったということが出ています。
注目したいのがその理由です。
今回の調査に協力してくれた成人の方が子供のころと、
今ではだいぶ状況が変わってきているため、
幾つかの矯正治療をしない理由というのは今では解決されていたりします。

まず矯正装置の見た目に関してですが、
見えない裏側矯正やマウスピース矯正が発展してきたため
だいぶ解決されてきています。
3位の痛みと受験や部活動への影響に関しては、
本当に弱い力で治療するために作られた材質のワイヤーや、
矯正歯科専門医のテクニックによって
だいぶ解決されてきています。
昔はワイヤーにステンレス製のものを使っていたので、
今と比べてはるかに強い力を加えることになっていました。

治療費に関しては各矯正歯科医院によって違う為なんとも言えませんが、
「高い」というイメージから親に相談せずに
過ごしている子供さんもいらっしゃるかもしれません。

横浜ひらの矯正歯科では子供の患者さんが多く来院されています。
裏側矯正を選ぶ場合もありますが、
表側の白いブラケットでの矯正治療を行う患者さんも多くいらっしゃいます。
これは体感ですが、審美ブラケットと呼ばれる表側ブラケットでの治療に関しても、
一昔前と比べてはるかに抵抗がなくなってきている気がします。
1学年に一人いるかいないかの矯正治療割合が、
1クラスに何人も治療しているという話も良く耳にします。

今から10年経って今を振り返ると、
もしかしたら矯正治療をしなかった理由は全く違う結果が出るのかもしれませんね。

2016年7月22日

今回は食いしばり、歯ぎしりに関して考えていこうと思います。

必要以上に常に食いしばる力がかかっている、
あるいは歯ぎしりが癖になっている方が相談に来ることがあります。

食いしばり、歯ぎしりなど噛みこむ力が余計にかかりすぎている場合、
様々な弊害につながることがわかっています。
まずはどういった弊害があるのかを見ていってみましょう。


① 虫歯、歯周病、知覚過敏の原因

強く力がかかりすぎると歯を支える歯槽骨が圧迫され、
それが少しずつ溶けて(吸収)いきます。
歯槽骨が細くなり炎症が起きると歯槽骨退縮、
歯肉(歯茎)の退縮も起きてしまいます。
歯茎の退縮は歯と歯の間に隙間も出来てしまい、
磨き残しにつながりやすくなります。
露出した歯根は歯質も薄く、虫歯を生みやすく、
知覚過敏にもなりやすくなってしまいます。


② 歯がすり減ってしまう

歯がすり減ってしまうのはイメージしやすいと思いますが、
通常の咬合の場合と違い、すり減るスピードは確実に早くなってしまいます。
歯が削れて平らになってしまうと、
噛む際に水平方向のズレから顎のズレにつながるというリスクもあります。
ひどい場合になると顎関節症などの症状になってしまうこともあります。


③ 様々な不正咬合の原因

強く噛みこむ癖は奥歯の歯槽骨の発達に悪影響を与え、
奥歯全体が低くなることがあります。
奥歯の噛み合せが低いと前歯の噛み合せが深く(ディープバイト・過蓋咬合)
なったり、下顎前歯が上顎前歯を押し出す力が余計にかかることから、
前歯の唇側傾斜が余計についてしまうことにもなりかねません。
場合によっては上顎前突(出っ歯)の原因になることもあります。


本来食事のとき意外には噛むという力は加わっていないのですが、
噛みこむ癖がある方は、数十キログラムの力が常に加わっていることになります。
矯正治療で歯に加える力を考えると、せいぜい数十グラムなので、
どれほどの力が加わり、影響を与えるかイメージが湧くかと思います。

その食いしばりなどの癖の原因は様々で、
結構ストレスからきている人も多いようです。
また食いしばりの癖がある方に結構共通しているのは、
上下の歯が常に触れていることが「普通だと思っていた」という点です。
本来正常な場合は上下の歯の間に1~2㎜の隙間があり、
舌の先端が上顎前歯の付け根部分に軽くついています。
知らないうちに悪影響を与え始めている可能性があるのが食いしばりなので、
読書をしているときやテレビを見ている時など、
ふとした時に自身の上下の歯を意識してみてください。
もし完全に噛みこんでいる、
あるいは上下の歯がしっかりとくっついている場合は
精査が必要かもしれません。

2016年6月28日

様々な不正咬合がある中で、隙っ歯というものがあります。

正確には空隙歯列(くうげきしれつ)と呼びますが、
歯と歯の間に隙間がある症状を指します。

顎が狭く、歯が並ぶスペースが足りていない場合、
歯列は叢生(デコボコ、乱ぐい歯、八重歯)になりやすくなりますが、
空隙歯列はその逆と考えるとわかりやすいかもしれません。

(正中だけ隙間があり、そのほかが叢生というケースもある為、
一概には言えませんが)

今回はこの空隙歯列のうちの正中離開に注目しながら
空隙歯列に関して考えていってみたいと思います。


■正中離開(せいちゅうりかい)について

まず正中離開についてですが、
隙っ歯の中でも真ん中の2本の前歯の間(正中)に隙間が生じているものを指します。
正中離開にはいくつか原因が考えらえていて、
その一つに上唇小帯(じょうしんしょうたい)と呼ばれる
粘膜(前歯の付け根から唇にかけてつながっている部分)が
異常発達したことにより隙間を生み出すということがあります。

また正中過剰埋伏歯(せいちゅうかじょうまいふくし)といって、
本来ないはずの歯、三本目の前歯が歯茎の中にいて、
それが本来の前歯2本を押し広げる力を加えることで
正中離開になることもあります。

ちなみに正中過剰埋伏歯には自覚症状は、ほぼなく、
レントゲンなどでチェックするまで気づかないというケースがほとんどです。

正中離開の矯正治療アプローチとしては、
隙間を単に埋めていくというだけでなく、
正中過剰埋伏歯が原因の場合は埋伏歯を除去することから
治療を始める必要が出てきます。


■空隙歯列の弊害について

乳歯列期には自然と隙間があり、
永久歯になってそのまま隙間が埋まって揃う
ということは多々あります。

そのため、隙間があるからといって
急いで判断する必要はありません。

しかし永久歯列になっても空隙がある場合は幾つかの弊害も生まれます。
息漏れからくる発音の問題、見た目の問題などです。


空隙歯列の治療も患者さんの状況、
原因によってアプローチが変わってきます。
矯正治療の開始時期に関しても検査をしたうえで
判断していく必要があります。

過剰埋伏歯のように、肉眼で判断することが出来ないことが
原因の可能性もありますので、
気になることがあれば矯正専門医にご相談頂ければと思います。

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ひらの矯正歯科 院長:平野正芳
ひらの矯正歯科
院長:平野正芳

【経歴】
横浜市瀬谷区に生まれる
(あづまの幼稚園(3期生)、二ツ橋小学校、東野中学校出身)
1997年 鶴見大学歯学部卒業
鶴見大学歯学部附属病院(矯正科)勤務
1999年 同大学歯科矯正学講座 診療科助手
2004年 日本矯正歯科学会 認定医取得(認定医について)
2007年 ひらの矯正歯科 開設
2010年 医療法人社団誠美会 理事長就任

【資格】
日本矯正歯科学会 認定医
神奈川県小児歯科 相談医
横浜市乳幼児歯科健康診査事業 委託医
横浜市妊婦歯科健康診査事業 委託医

【所属団体】
日本矯正歯科学会
東京矯正歯科学会
日本舌側矯正歯科学会
日本口蓋裂学会
日本成人矯正歯科学会
瀬谷歯科医師会
横浜市歯科医師会
神奈川県歯科医師会
日本歯科医師会

【著作物】
論文:
日本矯正歯科学会誌
「日本人女性I級叢生"borderlinecase"での抜歯・非抜歯症例における側貌変化の比較」
日本矯正歯科学会誌60巻5号掲載
著書(共著):
「臨床家のための矯正YEARBOOK02」クインテッセンス出版

【学会報告】
「女性I級叢生、明かな抜歯・非抜歯症例での側貌変化の比較」
日本矯正歯科学会名古屋大会
「不安定な咬合症例に対する治療法について」
東京矯正歯科学会大会
その他多数