2020/05/27
歯並びや噛み合わせが人それぞれであるように、
歯そのものに異常がみられるケースがあります。
歯の形態異常と呼ばれ、いくつか種類があります。
歯自体の形が通常と異なるため、多くの場合、
対合歯(上の歯であれば下の歯のこと)とのバランスが正常にならないため、
噛み合わせ以上や噛み癖から来る様々なトラブルにつながってしまう
リスクが生じてしまいます。
今日はそういった歯の形態異常に関して少しご紹介したいと思います。
■矮小歯
これは以前ご紹介したこともありますが、
歯自体がとても小さいものを指します。
円錐歯、栓状歯とも呼ばれ、多くの場合上顎側切歯(上の前から2番目の歯)におきます。歯が小さいことにより、歯の間に隙間が生じてしまい、
磨き残しからくる虫歯(う蝕)リスクがあります。
■巨大歯
これは言葉の通りですが、通常より大きい歯のことを指します。
矮小歯と比べてあまり多くない形態異常です。
片側の歯だけ大きい場合、左右の歯並びのバランスがおかしくなってしまったり、
対合歯とのずれから噛み合わせ異常につながってしまうこともあります。
■癒合歯
「ゆごうし」と読みます。これは、2本の歯がくっついて生えてくるもので、
歯の中の神経も一つにつながっています。
乳歯の下顎前歯でよくみられます。
二つにつながった歯の間の溝にプラークがたまりやすく、
虫歯リスクが高いことが懸念されます。
また、二つにつながっている為、歯根がしっかりしていて、
生え替わりの時期になかなか乳歯が抜けないということも起こります。
生え替わりに時間がかかることで、
他の生えてくる永久歯に悪影響を与えてしまうことも考えられます。
■癒着歯
「ゆちゃくし」は、癒合歯に似ていますが、
もともと別々に生えてきた歯の表面にあるセメント質が肥厚する過程で癒着したものを指します。
これらのような歯の形態異常があるお子さまの場合、
最も大切なことの一つが、歯列全体と噛み合わせ全体のバランスをしっかりと確認することです。形態異常の原因は遺伝など様々ですが、隣の歯との関係や、
咬み合わさった部分とのバランスなども患者さんによって違います。
その上でその形態異常の歯を残すのか、
抜歯する必要があるのかを慎重に見極めていくことが大切です。
あまりケースとしては多くないかもしれませんが、
噛み合わせのバランスに大きく影響するのが歯の形態異常ですので、
気になる場合はいつでもご相談ください。